2010年02月21日

2月 もうすぐ春ですね

 2月の絵本紹介がすっかり遅くなってしまってご免なさい。
気が付いたらもうすぐそこまで春が来ています。今の季節に是非読んで頂きたい絵本を紹介します。
「ないたあかおに」

作: 浜田 廣介
絵: 池田 龍雄
出版社: 偕成社
税込価格:¥1,050
 多くの出版社から挿絵違いで出ている本ですが、私は池田龍雄さんの絵が好きです。ちょっとスマートでやさしげな鬼表情がいいんです。
 村人と仲良くなりたいというあかおにくんのために、友だちのあおくんが、人肌脱ぐという有名なお話ですが、何度読んでも涙が出て来てしまうんです。
 絵はもちろん、文章も美しく、子どもに読み聞かせていて、その言葉の響きが心地よく、なんだかとても優しい気持ちになれる絵本です。
 自分の事より、相手の事を思いやる人間としての細やかな心遣いや優しい気持ちがたっぷり詰まったこの物語は、友達や周りの人たちの気持ちを想像する力を育んでくれると思います。
 あおくんの家の扉に張ってあったあかおにに当てた手紙には、「どこまでも きみの ともだち」の文字が……。それを何度も何度も読み返すあかおにくんの目からは止めどなく涙がこぼれ落ち、二人の気持ちが痛いほどこちらにも伝わってきます。この言葉の重みはきっと子どもたちにも伝わるはずです。

「きらきら」

作: 谷川 俊太郎
絵: 吉田六郎 写真
出版社: アリス館
税込価格:¥1,050
 今年の長野は雪の日が多かったですよね。私は新潟県の雪の多い地域で子ども時代を過ごしたので、雪はとても身近なものでした。冬になると毎日空から落ちてくる雪を眺めていました。この本写真を見ていると、そうそう雪ってこういう形をしていたよねって子ども時代も思い出が一気に蘇ってきます。とにかく雪の結晶の写真が美しい!! 
 さらに谷川俊太郎さんのシンプルな文章が雪の結晶の世界観にピッタリ。さすがです。
 絵本では最初から写真の正体をあかさず、“たくさん集まると ゆきだるま”みたいなヒントがあってそれが雪だとわかる構成になっていてそれも面白いですよ。
 子どもといっしょにピュアな気持ちでこの雪の世界を楽しんでみてはいかがでしょうか。

「黒ねこのおきゃくさま」

作: ルース・エインズワース
絵: 山内 ふじ江
訳: 荒このみ
出版社: 福音館書店
税込価格:¥1,260
 2月22日は猫の日だとか。せっかくなので猫の絵本をご紹介したいと思います。
この絵本は、私が気に入って、子どもたちが小さいときに買い求めた本です。何度も子どもたちに読み聞かせましたが、私自身、時々読み返したくなる絵本です。
 物語は、冬の夜、一人暮らしの貧しいおじいさんの家に、やせ細った黒いねこがやってくるところから始まります。おじいさんは、満足に食べる事も出来ない生活なのに、お腹を空かせている黒猫に、自分が食べるはずの食べ物を全て与えてしまいます。翌朝、猫が去った後に奇跡が……。
「まきがぱちぱちもえて、時計がかちかちなって、おきゃくさまはのどをごろごろ…」という場面は、心がほっこりしてきてとても幸せな優しい気持ちになります。そして最後の「今じゃほら、友だちじゃないか…」というおじいさんの台詞を読むとき思わずぐっとこみあげてくるものがあります。黒猫が足跡を付けずに去っていくシーンは、食べるものが無くなってしまったおじいさんに、なにかこれから素敵なことが起こるのではないかという予感を感じさせてくれる素敵な場面です。
 ぎすぎすした人間関係がニュースになることが多い現代ですが、こういう人間の温かく優しい気持ちが素直に伝わってくるお話を、これからも子どもたちに伝えていきたいとしみじみ思います。

「はなをくんくん」

作: ルース・クラウス
絵: マーク・シーモント
訳: 木島 始
出版社: 福音館書店
税込価格:¥1,155
 雪深い土地で子ども時代を過ごした私は、本当に春が待ち遠しかった。雪が溶け始め、本の僅か土が見えたときの喜びは今でも昨日の事にように蘇ってきます。
 この絵本を読むと、小さな幸せを発見する喜びの素晴らしさを再認識させてくれます。
 絵本は、モノトーンの色合いで冬眠をしている動物達がとても柔らかくえがかれています。
いろいろな動物が出てくるのが楽しく、私の子どもは「かたつむりもねんね?」等と言って興味深そうに絵本を覗き込んでいました。彩色豊かな絵本を子どもは喜びますが、たまにはこういうモノトーンの世界もいいですよ。
 ラスト近く、動物たちがいっせいに鼻をくんくんさせて何かをめがけて走り出します。皆さんの予想通り、まだ雪深い中に一輪の花が咲いているのです。今までモノクロの世界だったところに黄色い花。この本の中でたった一箇所の鮮やかな色の花です。
 山の中の小さい出来事ですが、動物たちの大きな喜びが伝わってきて読む人にも、絵本を見る子どもたちにも苑喜びが伝わってくる素敵な絵本です。

「ちいさなあなたへ」

作: アリスン・マギー
絵: ピーター・レイノルズ
訳: なかがわちひろ
出版社: 主婦の友社
税込価格:¥1,050
 この絵本は「あのひ、わたしは あなたの ちいさな ゆびを かぞえ、 その いっぽん いっぽんに キスを した」ではじまります。ああ私もこんな気持ちだったなぁと胸が熱くなりました。この本には、親でいることの喜び、不安、苦しみ、つらさ、寂しさ、子どもへの思い――そういったものが、あたたかく優しい色遣いの絵とシンプルな言葉で語りつくされています。まさに母になったばかりの人、子育て真っ最中の人、子ども、自分の母親等々、読む人それぞれの心が投影された大人のための絵本です。
 親になってわかる事、親にならなくてもわかる事、どちらも同じ位たくさんありますが、生まれてきた小さな命を目の前にしたとき、何かのスイッチが入るのも確か。赤ちゃんの世話をすることで、自分も又こうして育てられたということを再認識し、自分の親にも想いを寄せます。忙しさにいらいらしたり、疲れて怒りっぽくなったときに、この絵本を手にとると、不思議にクールダウンできて、ああ子どもをもっと愛したい、家族の時間を大切にしたい、親に優しい言葉をかけてあげたい…と自然に思ってしまう。そんな絵本です。
 アメリカで発売されるや、アメリカじゅうの母親を号泣させ、NYタイムズやAMAZONの児童書分野で、ハリー・ポッターをおしのけて1位の座を獲得したこの絵本が、なかがわちひろさんのシンプルで想いのこもった日本語版として登場。たくさんの日本のママたちにも感動を呼び起こしています。

「いないいないばあ」

作: 松谷 みよ子
絵: 瀬川 康男
出版社: 童心社
税込価格:¥735
 子どもが初めて出会う絵本の定番中の定番の絵本。
松谷みよ子さんのうつくしい日本語と瀬川泰男さんのなんとも愛らしい動物たちの絵が長年多くの親や子どもたちに指示されてきました。
 その瀬川さんの訃報(2月18日逝去)を知り、どうしてもこの場に取り上げたいと思いました。瀬川さんは愛知県出身でいらっしゃいましたが、小県郡青木村に移住され、素晴らしい絵本を世に送り出していらした方です。子育て真っ最中の時、瀬川さんの絵本にどれだけ助けられたか……。本当にありがとうございました。ご冥福をお祈り致します。
 この絵本は、ただひたすら動物達が「いないいないばあ」をします。
まずネコが。「いないいない…」ページをめくると「ばあ」です。
 続いてクマが。それからネズミが、そしてキツネが……。最後はのんちゃんが出てきて「いないいない ばあ」です。
 のんちゃんというところを自分のこどもの名前にかえて読んであげた方が大勢いるのではないでしょうか。私もその一人。もちろん子どもは大喜び。0歳児にはもちろんぴったりですが、我が家の子どもたちは、幼稚園、保育園に行くようになっても「読んで」とせがんできました。また、下の子が生まれたとき、お兄ちゃんになった長男は、文字も読めないのに私のまねをして、「いないいないばあ」とページをめくりながら読んであげていましたよ。「いないいないばあ」を題材にした絵本はたくさんありますが、私はこの本が一番好き。ちなみに、英語版(「Peek-a-Boo」)もCDも発売されてます。




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