2010年10月14日

秋ですね。10月の絵本

長野では夜になるとどこかで秋祭りの花火が上がっていて、なんだか幸せな気分です。
9月25日(土)蔦谷書店川中島店で恒例の絵本の会が催されました。

今回の本は「おはぎちゃん」「むしたちのうんどうかい」「三びきのこぶた」の3冊でした。

おはぎちゃん
作・絵: やぎ たみこ
出版社: 偕成社
税込価格: \1,260
発行日: 2009年10月
「おはぎちゃん」が庭に転がってしまい、カナトカゲの夫婦に大事に育てられるお話です。
庭の仲間もみんなで協力して、おはぎちゃんを育てていきます。クモがハンモックを作ってくれたり、ハチがハチミツをミルクがわりにくれたり、あまがえるのおばさんがだっこしてみたり……。奇想天外なお話ですが、なんだかとてもリアルで、すんないその世界に入って楽しめ、心がほんわか温かくなくお話です。
次に紹介するのは、虫たちが主人公の絵本です。

むしたちのうんどうかい
作: 得田 之久
絵: 久住 卓也
出版社: 童心社
税込価格: \1,365
発行日: 2001年09月15日
タイトルからも分かるように、たくさんの虫たちが、それぞれの特徴を生かした競技に参加しています。
カブトムシやバッタなど、みんながよく知っている虫から、ミイデラゴミムシなんていう、よくわからない虫まで登場し、虫好きの子だけではなく、親も楽しめます。かけっこ、玉いれ、綱引きなどなどまるで幼稚園の運動会のようで思わず応援したくなるかわいらしさです。付録として虫のイラストが付いています。
3冊目は、皆さん翌ご存知の「三びきのこぶた」です。といっても、もしかしたらイギリスで読まれているこの昔話の本当のお話を読んだことがある方は少ないかもしれませんね。

三びきのこぶた
作: イギリス昔話
絵: 山田 三郎
訳: 瀬田 貞二
出版社: 福音館書店
税込価格: \840
発行日: 1967年4月1日
「三びきのこぶた」はいろいろな絵本が出版されていますが、福音館書店のこの本は、子どもにこびることなく、もとの昔話を忠実に絵本化したものです。ここにその内容を書いてしまうのは読む楽しみを奪ってしまいそうなので、是非、ご自分で読んでみてください! きっと「へぇそういうお話だったんだ」って納得し、誰かに話したくなりますよ。

さて、次回の絵本読み聞かせ会のご案内です。
10月23日(土)午前11時より、蔦谷書店川中島店の児童書コーナーで行います。

毎月行っている会ですが、今月は食欲の秋をテーマに次の4冊の絵本を読みます。
「ぱくっ」 「ざぼんじいさんのかきのき」
「11ぴきのねことあほうどり」 「日本の昔話えほん 3 さるかにがっせん」

是非、蔦谷書店川中島店にお子様と一緒にいらして下さい。
一緒に絵本に親しみ、楽しいひと時を過ごしましょう。face02
絵本選びの質問にもお答えします。

子どもを本好きにしたいママ、絵本が好きな大人の方々、
たまには誰かに読んでもらいたい小学生中学生のお友達も大歓迎です。
お待ちしています!!


  

Posted by ハグリン at 10:33Comments(0)TrackBack(0)絵本紹介

2010年08月28日

9月の絵本

毎月1回、長野市南バイパス沿いにある蔦谷書店さんで、育児ねっと信州の仲間と絵本の読み聞かせの会を行っています。

今回は8月28日(土)に読んだ本の中から「おばけかな」をご紹介しますね。

作: いちかわ けいこ
絵: 西村敏雄
出版社: 教育画劇
税込価格: 1,155円

ひなこちゃんは、一人でお散歩にでかけます。
はしをわたり、なんだか怪しい場所に。するとあれあれものかげにお化けが、一人。
つぎのはしをわたると、またまた気持ちの悪い場所。そこにもやっぱりお化けがもう一人。
ページをめくるたびにおばけは増えていきますが、ひなこちゃんはぜんぜん気がつきません。
絵本を見ている子どもたちは、お化けを見つけてひなこちゃんに、
おばけがいるよと教えてあげるけど、ひなこちゃんたら全然気がつきません。
やっと最後に「キャー!」って叫んだので気がついたのかと思ったら…。
各画面にひそむおばけを見つけるのも楽しいお化け絵本です。

この本のほかに

「うみぼうずがでる」
作・絵: せな けいこ
出版社: ポプラ社
税込価格: 1,260円

「めっきらもっきらどおんどん」
作: 長谷川 摂子
絵: ふりや なな
出版社: 福音館書店
税込価格: 840円
も読みました。
どれもちょっぴりこわいけれど、かわいくて楽しいお化けの本です。

蔦谷書店長野川中島店での次回の読み聞かせの会は9月25日(土)午前11時からです。
次回も楽しいお話を用意しますので、是非いらして下さいね。  

Posted by ハグリン at 18:16Comments(0)TrackBack(0)絵本紹介

2010年04月01日

4月 待ちに待った春、絵本を持って出かけましょう!

 3月は、絵本をご紹介出来なくてごめんなさい。お詫びの気持ちも込めて今月は気合いを入れて選びました。まずは春の香りたっぷりの絵本を2冊。
「おなべおなべにえたかな」

作・絵: こいで やすこ
出版社: 福音館書店
税込価格: \840
(本体価格:\800)
発行日: 1997年8月15日
 
 私が小さかった頃、こんな遊びがありました。「かごめかごめ」みたいに真ん中で鬼になった子がしゃんでいて、他の子は手を繋ぎ輪になって回りながら次のような歌を唄うんです。「煮えたかたったぁ煮えたったぁ 煮えたかどうだか食べてみよ むしゃむしゃむしゃ(中心に近寄っていって食べる真似をする)」すると鬼になった子はうつむいたまま「グツグツグツ まだ煮えない」と答えます。すると、もう一度「煮えたかたった…」と繰り返します。何回目かで、鬼の子が「グツグツグツ もう煮えたぁ!」と叫ぶと鬼ごっこの始まりです。輪になっていた子どもたちは蜘蛛の子を散らすように逃げ出し、鬼の子は追いかけて捕まえます。最初に捕まった子が次の鬼です。
この絵本を最初に見つけたとき、私はすぐにこの遊びが頭に浮かびました。友達と日が暮れるまで夢中になって遊んでいたあの頃……楽しかったなぁ。
この絵本のおなべは、鬼になって追いかけてきたりはしません。
美味しいスープの作り方を教えてくれる夢のようなおなべなのです。
物語は、春の日、きつねの「きっこちゃん」といたちの「ちい」と「にい」が、きっこちゃんのおばあちゃんの家に遊びに行くところから始まります。おばあちゃんはお鍋でにんじんスープを作っていましたが、途中でからすの母さんに呼び出されて、きっこちゃんたちにおなべの番を頼みます。そこから、きっこちゃんたちの美味しいスープ作りは始まります。
きっこちゃんと、ちい、にい、の3人は、おなべにこう話しかけます。
「おなべ、おなべ、にえたかな?」
すると、お鍋が答えます。
「コトコトコト 煮えたかどうか食べてみよ、コト」
ふたを開けて味見をした後、塩こしょうで味をととのえて、また聞きます。
「おなべ、おなべ、にえたかな?」
お鍋はまた答えます。
「フツフツフツ、煮えたかどうだか食べてみよ、フツ」
こうして、何度かやり取りしているうちに、おいしいスープが出来あがり、もういっぱい、もういっぱいと、みんなで味見をしているうちに、スープはすっかりなくなってしまいます。さあ大変!困った3人を助けてくれたのは、おなべでした。
「水を入れろ」「豆を入れろ」「たんぽぽを入れて」とおなべが次々に指示してくます。
きっこちゃんたちと、お鍋とのやり取りはとても楽しく、読んでいる私も一緒に作っている気分になります。
帰ってきたおばあちゃんが、おなべのふたを開けると、煮ていたはずの「にんじんスープ」が、なんと、「たんぽぽ入りの豆スープ」に、驚いて味をみたおばあちゃん。
「なんて すてき! はるのあじがする はるのスープ。よくおなべのばんができたこと!」
深い愛情に溢れたこの誉め言葉に、きっこちゃんたちだけでなく、私たちもほっとします。
また、この物語の影の主人公「おなべ」さん。その表情がなんとも魅力的で、「おなべ」が最後につぶやく一言に「おなべ」の優しい人柄(?)が表れています。
春の温かさと優しさがいっぱい詰まったこの絵本、春先の気持ちのいい季節に、是非読んで欲しい1冊です。

「よもぎだんご」

作・絵: さとう わきこ
出版社: 福音館書店
税込価格: \880
(本体価格:\838)
発行日: 1989年3月15日

 我が家の息子たちが通った保育園では、春になると必ず「つくし」や「よもぎ」を摘みにでかけます。それを料理するのは年長組さんの仕事。つくしは「はかま」を取っておひたしや甘辛く炒めて給食の1品に。茹でて刻んですり潰されたよもぎは、生地に練り込まれ、鮮やかな緑色の生地に。それは子どもたちの小さな手の中で丸められ、次々と美味しそうなお団子に変身して行きます。蒸し上げられた「よもぎだんご」は、たっぷりのあんこやきなこがまぶされ、保育園児みんなのおやつになりました。小さな子たちは、「早く年長さんになってお団子を作りたい」と憧れ、年長さんはちょっと誇らしげによもぎだんごをふるまいます。保育園春の恒例行事でした。
 よもぎだんご作りに憧れていた息子たちにこの絵本を何回も読んであげた事を思い出します。実際に摘みに行けない人もこの絵本で疑似体験してみてください。1回体験したくなりますよ。
絵本では、ばばばあちゃんたちが、よもぎの他にも、なずな・よめな・つくしなども摘んでいきます。春の草がたくさん登場してくるのも楽しいですね。食べ物は買ってくる物だと思っている子どもたちに、自分で摘んだ草が食べられるって事、教えてあげたいなぁ。作り方も説明してくれていますので、親子でチャレンジしてみてください。

 この春から幼稚園や保育園に通い出したお子さんをお持ちの方もたくさんいらっしゃると思いますが、これからご紹介する幼稚園は、かなり個性的な幼稚園です。
「ぐるんぱのようちえん」
作: 西内 ミナミ
絵: 堀内 誠一
出版社: 福音館書店
税込価格: \840
(本体価格:\800)
発行日: 1966年12月15日

 初版が1966年というロングセラー作品です。上質の絵本は時代を超えて愛される、ということが実によくわかる作品です
ぐるんぱはとっても大きなぞうですが、ずっとひとりぼっちで暮らしてきたので、汚くて、くさい臭いもします。ひとりぼっちで寂しくて、大きな涙を流しています。
そんなぐるんぱをこのままにはしておけないと、ジャングルのみんなは、彼を働きに出すことにしました。みんなにきれいに洗ってもらい、見違えるほど立派になったぐるんぱは、張り切って出発しました。
まず、ビスケット屋で働きますが、張り切りすぎて大きな大きなビスケットを作ってしまい、追い出されてしまいます。次にお皿を作りましたが、また張り切りすぎて大きな大きなお皿を作って追い出されます。次のくつ屋でも、ピアノ屋でも、車屋でも…。行く先々で失敗を繰り返すぐるんぱ。大きなビスケットとお皿とくつとピアノを大きなスポーツカーに載せて、しょんぼりがっかり出ていく彼は、昔のように涙が出そうになります。
しかし、そんなぐるんぱを必要としてくれる人に出会います。それは子だくさんのお母さんで、子どもたちと遊んでくれと頼まれたのでした。ぐるんぱが大きなピアノをひいて歌をうたうと子どもたちは大喜び。歌をきいてあちこちから子どもたちが集まってきて、とうとうぐるんぱは幼稚園を開く事になりました。大きなお皿はプールに、大きなくつはかっこうのかくれんぼ場所に。
「ぐるんぱは、もう さみしくありません。 びすけっと、まだ たくさん のこっていますね。」最後のこの言葉に、読者は胸をなで下ろします。
それまで一生懸命やってきたことが、何一つ無駄になっていないこのぐるんぱの物語は、大人にとっては人生を感じさせるものですが、子どもにとってはリズム感のある言葉、繰り返しのストーリー展開と優しい色遣いが心地良い楽しい絵本だと思います。

 温かくなるとどこかに出かけたくなりますよね。次は、電車のお話です
「でんしゃにのって」
作・絵: とよた かずひこ
出版社: アリス館
税込価格: \1,365
(本体価格:\1,300)
発行日: 1997年

 うららちゃんが、一人できっぷをもって電車に乗っておばあちゃんのいる「ここだ駅」まで行く話です。安西水丸さんの「がたんごとん」からのステップアップのようにすんなり入っていける楽しい電車の絵本です。
「つぎは わにだー わにだー」とアナウンス。
次の駅で乗って来たのはたくさんの「わに」。
「つぎは ぞうだー ぞうだー」
すると今度はぞうさんがたくさん乗ってきます。
「つぎは くまだー くまだー」
電車はだんだん混んできますが、皆ゆずりあってほのぼのムード満点です。
「つぎは ここだー ここだー」
降りる駅なのに、うららちゃんウトウトしていて、ちょとひやひや、でも大丈夫…。
最後、うららちゃんが降りた次の駅名が「おばけだ」。奥付けにホームで待っているお化けも書かれていて、うららちゃん、乗り過ごさなくて良かったとホッと出来るエピローグも楽しいですよ。

 次は0歳児の赤ちゃんにもお薦めの絵本です。
「くっついた」

作・絵: 三浦 太郎
出版社: こぐま社
税込価格: \840
(本体価格:\800)
発行日: 2005年08月

 作者の三浦太郎さんはなんとボローニャ国際絵本原画展に4度も入選している方で、海外で2冊出版されていて、この「くっついた」は日本の子どもたちに向けての初の作品です。
これは色々くっついちゃうという絵本で、ページとページをはさんで金魚さんと金魚さんが「くっついた」! あひるさんとあひるさんが…、お鼻とお鼻が…「くっついた」!となります。0歳児のお子さんにも読んであげられますよ。
子どもと一緒に読んで遊んで喜ばすつもりが、読んであげている方が喜んでいるみたいな絵本です。
どんなにいらいらしていても、どんなに怒っていても、自分のほっぺたと子どものほっぺたが「くっついた!」なんてしたら、思わず笑ってしまいますよね。
親子で、本と一緒にくっついた!をして、スキンシップを楽しんで下さい。子どもといろんなところをくっつけ合っていると子どもの体の温かさが伝わってきて、幸せな気分になり、子どもを抱きしめたくなります。生まれたときから肌と肌のふれあいを続けていると、思春期の難しい年齢になっても、親の手の平の温もりを受け入れやすいそうですよ。子どもの心が、堅くとがってしまった時に、柔らかくしてくれるのは、やはり親の掌の温もりのような気がします。小さな時からのスキンシップが、後々の親子関係の大きな助けになってくれるかも知れません。

 最後はママやパパに是非読んで頂きたい絵本です。
「だいじょうぶだいじょうぶ」

「だいじょうぶだいじょうぶ」
作・絵: いとう ひろし
出版社: 講談社
税込価格: \1,050
(本体価格:\1,000)
発行日: 1995年10月20日
 
 誰かに「だいじょうぶ」と言って貰いたい時ってありませんか?
私は子どもの時も、大人になってしまった今でも、時々誰かに「だいじょうぶ」って抱きしめて貰いたくなるときがあります。そうしたら、きっとまた勇気を出して歩き出せるような気がするからです。しかし、そんな私もいつの間にか、誰かに「だいじょうぶ」と声を掛け抱きしめてあげなくてはいけない年齢になってきました。心がちょっとめげてしまったとき、私はこの絵本を読みます。大切な人の手を握り「だいじょうぶ」と声をかけたくなります。
この物語の主人公の僕は、以前、毎日のようにおじいちゃんとお散歩を楽しんでいました。
家の近くをのんびり歩くだけの散歩でしたが、僕の世界はどんどんひろがり、新しい発見や楽しい出会いがありました。
でも一方で、困ったことや怖いことにも出会うようになり、なんだかこのまま大きくなれそうにないと、思えるときもありました。
その度におじいちゃんは僕の手を握り、
「だいじょうぶ だいじょうぶ。」
とおまじないのようにつぶやくのでした。
小さな僕が不安な気持ちになると、いつもおまじないの言葉で助けてくれたおじいちゃん。そのおじいちゃんが病に倒れ、今度は僕が病院のベッドに横たわるおじいちゃんに…。
生きていくためのしなやかな心のたくましさと優しさが胸にしみる大人向けの絵本ですが、この安心感漂う世界は、きっと小さな子どもたちにも伝わると思います。
  

Posted by ハグリン at 14:55Comments(0)TrackBack(0)絵本紹介

2010年02月21日

2月 もうすぐ春ですね

 2月の絵本紹介がすっかり遅くなってしまってご免なさい。
気が付いたらもうすぐそこまで春が来ています。今の季節に是非読んで頂きたい絵本を紹介します。
「ないたあかおに」

作: 浜田 廣介
絵: 池田 龍雄
出版社: 偕成社
税込価格:¥1,050
 多くの出版社から挿絵違いで出ている本ですが、私は池田龍雄さんの絵が好きです。ちょっとスマートでやさしげな鬼表情がいいんです。
 村人と仲良くなりたいというあかおにくんのために、友だちのあおくんが、人肌脱ぐという有名なお話ですが、何度読んでも涙が出て来てしまうんです。
 絵はもちろん、文章も美しく、子どもに読み聞かせていて、その言葉の響きが心地よく、なんだかとても優しい気持ちになれる絵本です。
 自分の事より、相手の事を思いやる人間としての細やかな心遣いや優しい気持ちがたっぷり詰まったこの物語は、友達や周りの人たちの気持ちを想像する力を育んでくれると思います。
 あおくんの家の扉に張ってあったあかおにに当てた手紙には、「どこまでも きみの ともだち」の文字が……。それを何度も何度も読み返すあかおにくんの目からは止めどなく涙がこぼれ落ち、二人の気持ちが痛いほどこちらにも伝わってきます。この言葉の重みはきっと子どもたちにも伝わるはずです。

「きらきら」

作: 谷川 俊太郎
絵: 吉田六郎 写真
出版社: アリス館
税込価格:¥1,050
 今年の長野は雪の日が多かったですよね。私は新潟県の雪の多い地域で子ども時代を過ごしたので、雪はとても身近なものでした。冬になると毎日空から落ちてくる雪を眺めていました。この本写真を見ていると、そうそう雪ってこういう形をしていたよねって子ども時代も思い出が一気に蘇ってきます。とにかく雪の結晶の写真が美しい!! 
 さらに谷川俊太郎さんのシンプルな文章が雪の結晶の世界観にピッタリ。さすがです。
 絵本では最初から写真の正体をあかさず、“たくさん集まると ゆきだるま”みたいなヒントがあってそれが雪だとわかる構成になっていてそれも面白いですよ。
 子どもといっしょにピュアな気持ちでこの雪の世界を楽しんでみてはいかがでしょうか。

「黒ねこのおきゃくさま」

作: ルース・エインズワース
絵: 山内 ふじ江
訳: 荒このみ
出版社: 福音館書店
税込価格:¥1,260
 2月22日は猫の日だとか。せっかくなので猫の絵本をご紹介したいと思います。
この絵本は、私が気に入って、子どもたちが小さいときに買い求めた本です。何度も子どもたちに読み聞かせましたが、私自身、時々読み返したくなる絵本です。
 物語は、冬の夜、一人暮らしの貧しいおじいさんの家に、やせ細った黒いねこがやってくるところから始まります。おじいさんは、満足に食べる事も出来ない生活なのに、お腹を空かせている黒猫に、自分が食べるはずの食べ物を全て与えてしまいます。翌朝、猫が去った後に奇跡が……。
「まきがぱちぱちもえて、時計がかちかちなって、おきゃくさまはのどをごろごろ…」という場面は、心がほっこりしてきてとても幸せな優しい気持ちになります。そして最後の「今じゃほら、友だちじゃないか…」というおじいさんの台詞を読むとき思わずぐっとこみあげてくるものがあります。黒猫が足跡を付けずに去っていくシーンは、食べるものが無くなってしまったおじいさんに、なにかこれから素敵なことが起こるのではないかという予感を感じさせてくれる素敵な場面です。
 ぎすぎすした人間関係がニュースになることが多い現代ですが、こういう人間の温かく優しい気持ちが素直に伝わってくるお話を、これからも子どもたちに伝えていきたいとしみじみ思います。

「はなをくんくん」

作: ルース・クラウス
絵: マーク・シーモント
訳: 木島 始
出版社: 福音館書店
税込価格:¥1,155
 雪深い土地で子ども時代を過ごした私は、本当に春が待ち遠しかった。雪が溶け始め、本の僅か土が見えたときの喜びは今でも昨日の事にように蘇ってきます。
 この絵本を読むと、小さな幸せを発見する喜びの素晴らしさを再認識させてくれます。
 絵本は、モノトーンの色合いで冬眠をしている動物達がとても柔らかくえがかれています。
いろいろな動物が出てくるのが楽しく、私の子どもは「かたつむりもねんね?」等と言って興味深そうに絵本を覗き込んでいました。彩色豊かな絵本を子どもは喜びますが、たまにはこういうモノトーンの世界もいいですよ。
 ラスト近く、動物たちがいっせいに鼻をくんくんさせて何かをめがけて走り出します。皆さんの予想通り、まだ雪深い中に一輪の花が咲いているのです。今までモノクロの世界だったところに黄色い花。この本の中でたった一箇所の鮮やかな色の花です。
 山の中の小さい出来事ですが、動物たちの大きな喜びが伝わってきて読む人にも、絵本を見る子どもたちにも苑喜びが伝わってくる素敵な絵本です。

「ちいさなあなたへ」

作: アリスン・マギー
絵: ピーター・レイノルズ
訳: なかがわちひろ
出版社: 主婦の友社
税込価格:¥1,050
 この絵本は「あのひ、わたしは あなたの ちいさな ゆびを かぞえ、 その いっぽん いっぽんに キスを した」ではじまります。ああ私もこんな気持ちだったなぁと胸が熱くなりました。この本には、親でいることの喜び、不安、苦しみ、つらさ、寂しさ、子どもへの思い――そういったものが、あたたかく優しい色遣いの絵とシンプルな言葉で語りつくされています。まさに母になったばかりの人、子育て真っ最中の人、子ども、自分の母親等々、読む人それぞれの心が投影された大人のための絵本です。
 親になってわかる事、親にならなくてもわかる事、どちらも同じ位たくさんありますが、生まれてきた小さな命を目の前にしたとき、何かのスイッチが入るのも確か。赤ちゃんの世話をすることで、自分も又こうして育てられたということを再認識し、自分の親にも想いを寄せます。忙しさにいらいらしたり、疲れて怒りっぽくなったときに、この絵本を手にとると、不思議にクールダウンできて、ああ子どもをもっと愛したい、家族の時間を大切にしたい、親に優しい言葉をかけてあげたい…と自然に思ってしまう。そんな絵本です。
 アメリカで発売されるや、アメリカじゅうの母親を号泣させ、NYタイムズやAMAZONの児童書分野で、ハリー・ポッターをおしのけて1位の座を獲得したこの絵本が、なかがわちひろさんのシンプルで想いのこもった日本語版として登場。たくさんの日本のママたちにも感動を呼び起こしています。

「いないいないばあ」

作: 松谷 みよ子
絵: 瀬川 康男
出版社: 童心社
税込価格:¥735
 子どもが初めて出会う絵本の定番中の定番の絵本。
松谷みよ子さんのうつくしい日本語と瀬川泰男さんのなんとも愛らしい動物たちの絵が長年多くの親や子どもたちに指示されてきました。
 その瀬川さんの訃報(2月18日逝去)を知り、どうしてもこの場に取り上げたいと思いました。瀬川さんは愛知県出身でいらっしゃいましたが、小県郡青木村に移住され、素晴らしい絵本を世に送り出していらした方です。子育て真っ最中の時、瀬川さんの絵本にどれだけ助けられたか……。本当にありがとうございました。ご冥福をお祈り致します。
 この絵本は、ただひたすら動物達が「いないいないばあ」をします。
まずネコが。「いないいない…」ページをめくると「ばあ」です。
 続いてクマが。それからネズミが、そしてキツネが……。最後はのんちゃんが出てきて「いないいない ばあ」です。
 のんちゃんというところを自分のこどもの名前にかえて読んであげた方が大勢いるのではないでしょうか。私もその一人。もちろん子どもは大喜び。0歳児にはもちろんぴったりですが、我が家の子どもたちは、幼稚園、保育園に行くようになっても「読んで」とせがんできました。また、下の子が生まれたとき、お兄ちゃんになった長男は、文字も読めないのに私のまねをして、「いないいないばあ」とページをめくりながら読んであげていましたよ。「いないいないばあ」を題材にした絵本はたくさんありますが、私はこの本が一番好き。ちなみに、英語版(「Peek-a-Boo」)もCDも発売されてます。
  

Posted by ハグリン at 15:04Comments(0)TrackBack(0)絵本紹介

2010年01月15日

1月 あけましておめでとうございます

 2010年になりましたね。あけましておめでとうございます。互いが互いを思いやれる優しい年になりますように……。
 さて、新年最初の絵本紹介です。まず一冊目は「だるまさんが」です。

作・絵: かがくい ひろし
出版社: ブロンズ新社
税込価格:¥893
(本体価格:¥850)
 この本は、特にストーリーがある訳でなく、その動きや表情、擬音語だけで進んでいくとってもシンプルな絵本です。子どもって擬音語が大好きですよね。「どひゃ!」とか「むぎゅ」とか言ってアクションを起こすとめちゃくちゃはしゃいで喜んだりしますよね。
 とにかく見ているだけで笑ったり、びっくりしたりする赤ちゃんや小さな子どもにぴったりの絵本です。もちろん大人だって楽しいですよ。表紙の絵を見てください。だるまさんに手足があって、立っているんですけど、そのなんとも愛らしいというか、もう何か起こるぞと、期待させてくれるキャラクターです。昔「だるまさんが○○○だ」なんて遊びをしたのを思い出しました。とにかく、可笑しな動きと、表情がとっても可愛らしい。是非、楽しく声を出して読んでください。
「おもちのきもち」

作・絵: かがくい ひろし
出版社: 講談社
税込価格: ¥1,575
(本体価格:¥1,500)
 これは、「だるまさんが」の作者、かがくいひろしさんが、第27回講談社絵本新人賞受賞した作品です。同じ作者の本が続いてしまいますが、どうしても捨てがたくて……。お正月の“かがみもち”のお話だからという理由だけでなく、とにかくおもしろいんです。
 お正月につきものの鏡餅は、「食べられるのは嫌だ!」と逃げ出しまうのですが、走って逃げていくうちにビロ~ンと伸びてしまいます。思いっきり走ってお腹がすいた鏡餅が、興味本位で自分の足を食べてみると……。とにかくお餅の表情が豊かでストーリーもユニーク!親子で初笑いできるお正月らしいお話です。幸せそうに丸くなっていらラストシーンもいいですよ。
「カボチャスープ」

作・絵: かがくい ひろし
出版社: ブロンズ新社
税込価格:¥893
(本体価格:¥850)
 冬はやっぱりスープの季節。と言うわけで、スープの絵本はたくさんありますが、今回は「カボチャスープ」を選びました。1999年ケイト・グリーナウェイ賞受賞作品です。
 森の中の家に、ねことりすとあひるは一緒に住んでいます。毎日3人が決まった手順で作るかぼちゃスープは、世界一の味。 ところがある朝、あひるが「ぼくがスープをかきまぜる!」と言ったから、三人は大げんか。ついに、あひるは家出をしてしまいます。果たして 三人の友情と、スープの味はもとに戻るでしょうか? ケンカから仲直りまでを描いた絵本で、友達の大切さを学べます。最後には仲直りするのですが、また新たなケンカの始まる予感を感じさせる終わり方になっています。
 私はこの絵が気に入っています。動物描写も素晴らしいし、表情が豊かで、気持ちがストレートに伝わってくるんです。おいしそうにスープを作って食べる様子は、本当に幸せそのもの見ている方にも、いっしょにおいしさが伝わってきて、カボチャスープを作りたくなります。せなあいこさんの訳もリズミカルでとても素敵。少し長めのお話ですが、絵も可愛いし、はらはらドキドキの展開なので、小さい子でも最後まで十分愉しんくれると思います。是非読んであげて下さい。寒い冬にはぴったりの絵本だと思います。続編の「こしょうできまり」もお薦め。
「ちびくろ・さんぼ」

作: ヘレン・バンナーマン
絵: フランク・ドビアス
訳: 光吉 夏弥
出版社: 瑞雲舎
税込価格:¥1,050
(本体価格:¥1,000)
「ちびくろ・さんぼ」と聞くと、私などはとっても「懐かしい」というイメージがあります。子どもの頃大好きで、何度も読み返していた絵本です。自分の子どもにも読んであげたいと思っていたのに、黒人差別だと問題になり、1988年から長い間絶版になっていて、とても残念に思っていました。しかし、なんら差別的では無いと判断され、「とらとバターの話」のみの収録で復刻されました。(初版は1953年に岩波書店から出版されていました)
 お話は、可愛い男の子さんぼが、おとうさんとおかあさんにもらった上等の服と傘を持って、お散歩に出かけるところから始まります。途中で出会ったトラに、食べられそうになるのですが、さんぼは、このピンチを乗り超えることが出来るか……となり「とらが ぐるぐるまわって バターになる」という有名な場面へと繋がっていきます。大胆な色使いとデザイン性の高いイラストが、ビジュアル的にも子どもたちに強い印象を残していますが、なんと言っても「とらがバターになってしまう」ところがとにかくおもしろい。更に、そのバターを使って焼いたホットケーキをさんぼが169枚も食べちゃうからビックリ!!現代の子どもたちにとっても忘れられない絵本の1冊になるはずです。
「ストーブのふゆやすみ」

作: 村上 しいこ
絵: 長谷川 義史
出版社: PHP研究所
税込価格:¥1,155
(本体価格:¥1,100)
「今日は家族でスキー旅行」のはずが、家のストーブまで一緒に行くことに!? 家族3人とストーブが繰り広げる楽しい幼年童話です。前作の「れいぞうこのなつやすみ」同様、お話の舞台が関西ということもあって、ダジャレや笑いのつぼがしっかり押さえられていておもしろい!の性別の説明もユニーク。意外とかわいらしい仕草を浮かべるストーブが、なあともキュート!そして、意外なことにストーブは寒がりと言うから笑えます。笑えるだけでなく、ストーブと男の子の兄弟の様な関係にも胸が温かくなります。読んでみて損はない家族で笑える絵本です。文章もそれほど長くないので3歳くらいからでも楽しく見てくれると思います。
「いちにちおもちゃ」

作: ふくべあきひろ
絵: かわしまななえ
出版社: PHP研究所
税込価格:¥1,260
(本体価格:¥1,200)
 やはりお正月ですから、笑える絵本がイイですよね。笑えるだけでなく、クリスマスプレゼントでおもちゃを貰ったばかりの子どもには、ぴったりの絵本かもしれませんよ。
「いちにちおもちゃになっちゃおう」とは主人公の男の子の言葉。まずは試しにクレヨンになってみる。クレヨンになってみるってどういう事か想像してみてください。とにかく想像以上の展開です。けん玉になってみると?カスタネットになってみると?もう次から次へと笑わせられます。理屈抜きで、この世界を子どもたちと愉しんで欲しい絵本です。
 子どもから「おもちゃって結構大変だねえ。大切にしなくちゃ」なんていう感想が漏れてくるかもしれませんよ。
「14匹のさむいふゆ」

作・絵: いわむら かずお
出版社: 童心社
税込価格:¥1,260
(本体価格:¥1,200) 
 冬の遊びと言ったら、そり遊び! 私の子どもたちも小さいときには、冬になるとこの本を引っ張り出してきて「読んで」とせがんだ1冊です。外は雪がふる寒いふゆ。家の中はストーブがたいてあってあたたかそう。おもちをつくったり、そりをつくったり本当に楽しそうです。雪がやみ、みんなは作ったそりで雪の坂道をすべります。おじいちゃんもおばあちゃんもこども達と一緒。このシリーズはどれも家族で助け合ってなにかをしたり、遊ぶのも家族一緒というお話で、いつ読んでもほっこりとした気持ちになります。
  

Posted by ハグリン at 17:32Comments(1)TrackBack(0)絵本紹介

2009年12月07日

12月  もうすぐクリスマス

 記念すべき第1回目に、クリスマスの絵本を紹介できるなんて、とっても幸せな気分です。クリスマスのお話って、胸がきゅんとなったり、優しい気持ちになれるお話が多いから。
 今は大きくなってしまった私の二人の息子は、中学生になるまで、サンタさんの存在を信じてくれていましたから、私もまた、毎年ドキドキしながらも「今年はどんな演出をしようかな。サンタさんからの手紙にはなんて書こうかな(サンタさんになりきって、私が書きプレゼントに添えておりました)」なんて、クリスマスをとても楽しく過ごしていました。
 今年ファーストクリスマスを迎えるママとパパ。
本当におめでとうございます。お子さんと一緒にこれから夢のある楽しく幸せなクリスマスを過ごしていってくださいね。
 願わくば、その蜜月な年月ができるだけ長く永く続きますようにと祈りを込めて、クリスマスに読んで頂きたい絵本をご紹介します。

「まどから おくりもの」
(作・絵:五味 太郎 出版社:偕成社 税込価格:¥1,050)
サンタさんがプレゼントを届ける仕掛け絵本です。窓の形に空いた穴から次のページの絵が見えるのですが、開いてみると予想外の絵が現れて大人でもなるほどって感心しちゃう展開。シンプルな絵と言葉が、一層想像力をかりたててくれます。さすが五味さん!ってところでしょうか。0才1才のお子さんでも十分愉しめる絵本です。大学生と高校生の私の息子は、もうこの本の世界で私と一緒に遊んでくれないだろうなぁ(読んでと言われた方が心配か…)
 子どもが小さい時でないと一緒に遊べない楽しい本の世界を、是非親子でエンジョイして下さい。

「よるくまクリスマスのまえのよる」
(作・絵:酒井 駒子 出版社:白泉社 税込価格:¥1,050)

「よるくま」のクリスマス絵本です。ママに叱られた子どもの切ない想いがじんじん伝わってきて、おこりんぼママだった私の胸に突き刺さります。
「ぼくには サンタさん こないかもしれないね。だって、ぼく、わるいこだから。きょう、ママにいっぱいしかられたから。」
 この「ぼく」の台詞にはやられました。育児と家事に追われ、ついつい子どもに厳しい言葉を投げかけてしまっていた昔のことが、一気に蘇ってきました。叱りすぎた日の夜、寝ついた子どもの枕元で「ごめんね。優しいお母さんでなくて…」って何度泣いたことか。
 家に帰ってよるくまが、ママにギュッと抱きしめられているのを見て、「ぼく」はこういいます。
「よるくまは いいな まだ ちいさいから いっぱい だっこ してもらえて いいなあー」
 ああ、もう絶対に子どもを抱っこしたくなります。例え大学生でも、高校生でも抱っこするぞぉという気持ちになります。
 子どもの気持ちに寄り添ってくれるこの本は、子どもには共感を、そしてママたちには子どもを産んだ時の感動と優しい気持ちを思い起こさせてくれます。
 仏教では、「善人は救われますが、悪人であれば、なおのこと救わなくては」という考え方があると聞いたことがあります。キリスト教の神様だって、どんなに悪いことをした子にだってクリスマスプレゼントを届けてくれるはず。だって、本当に心底悪い子どもなんていないって思うから。
 世界中の子どもがぎゅっと抱きしめてもらえますように……。

「ビロードのうさぎ」
(作:マージェリィ・W・ビアンコ 絵・訳:酒井 駒子 出版社:ブロンズ新社 税込価格: ¥1,575)

 これも是非クリスマスに読んでもらいたい1冊です。古典的名作と言われ世界中で愛されてきたお話「ビロードうさぎ」と酒井駒子さんの絵が本当にぴったり!! ビロードの質感たっぷりで、つぶらな瞳の今にも動き出しそうなぬいぐるみのうさぎだからこそ、「子どもに愛されたおもちゃは いつかほんものになれる」という話にリアリティが生まれます。
 クリスマスに男の子の家に来たビロードのうさぎのぬいぐるみは、男の子の大のお気に入りになって、毎日一緒に遊び、毎晩一緒に寝ます。「ああ、子どもってお気に入りのぬいぐるみやおもちゃとこんな風に日々を過ごすよね」って、「うん、うん、うちの子もこうだよ」って、きっと読む人みんな思い当たる場面が丁寧に描かれています。
 月日が過ぎ、うさぎはぼろぼろになりましたが、そんなことはどうでもいいことでした。だって、うさぎは男の子にとても愛されて幸せでしたし、「男の子のほんもののうさぎ」になったと感じていたからです。
 ところが男の子が病気になり…。別れは突然やってきてしまいました。
うさぎちゃん、どうなるの!!と心配していると、なんとうさぎの身に奇跡が…。男の子は成長し、もうぬいぐるみのうさぎと寝る事はしなくなりますが、心の中にしっかりと生き続けています。そしてビロードのうさぎの心にも…。
 めいっぱい優しい気持ちになれる絵本です。だからこそ、聖なる夜にお子さんに読んであげて欲しい本です。奇跡はそれを信じる者たちに訪れる…私めちゃくちゃ信じています!神様ぁ!!

「サンタおじさんのいねむり」
(作:ルイーズ・ファチオ 絵:柿本 幸造 訳:前田三恵子 出版社:偕成社 税込価格:¥1,050)

 これもほんわか優しいお話ですが、この本に登場してくるサンタさんはとっても人間臭くて、憎めない感じのおじさんとして描かれています。何しろプレゼントを届けに出かけるサンタさんに、奥さんはコーヒーとサンドイッチを渡してこう言うんです。
「サンドイッチは、途中で食べちゃダメよ。あなたはお腹がいっぱいになると、すぐに眠くなってしまうんだから」
 こう言われても、ついつい食べてしまうサンタさん。そして奥さんの言った通りサンタさんは眠りこんでしまいます。さてさてどうなることやらと心配していると、森の仲間たちがやってきて…。
 せっかく眠っているサンタさんを起こすのはかわいそうという動物たちの気持ちが、温かくほのぼのした気持ちになります。誰かの為を思って行動を起こすという素朴で真っ直ぐな気持ちっていいなと素直に思えるお話です。

「サンタのひみつおしえます」
(作:ジェームズ・ソルヘイム 絵:バリー・ゴッド 訳:ゆりよう子 出版社:ひさかたチャイルド/チャイルド本社 税込価格:¥1,575)

 どうしてトナカイが空をとべるの? どうして煙突に入れるの? いい子にしてたかなんて、どうしてわかるの? だいたいサンタさんって本当にいるの?
 そんな疑問を持っているお子さんに是非読んでもらいたい絵本です。もちろん、サンタさんを信じているお子さんにも、たくさんの秘密が、綺麗な絵とわかりやすい文章で説明されているので、きっと喜んでもらえると思います。サンタクロースの百科辞典やサンタクロースの国の本はいろいろなものがありますが、この絵本はその中でもわかりやすく、温かい色調の絵がかわいらしく、小さなお子さんにはお薦めです。
 サンタはいないというスティービーのところに、サンタさんがやってきて、その秘密を知るというストーリーを通して、サンタさんに関する素朴な疑問が次々に解明されていきます。意外とハイテクなサンタさんの様子もわかって大人にも楽しいですよ。

 最後にご紹介するのは、クリスマスのお話ではありませんが、巨樹・古木から子どもたちへのメッセージが込められた絵本です。

「おおまきの唄がきこえる」木が伝えてくれる物語シリーズ第2弾
(監修:和田登絵 文:田之上尚子 イメージ音楽(CD):雅音人 発行:財団法人長野県緑の基金 出版社:オフィスエム 税込価格:¥1,200)

 この絵本は長野県内の巨木や古樹を題材に、命の尊さや思いやりの心などを子どもたちに伝えたいと創られた「木が伝えてくれる物語シリーズ」(全5作)の第2弾で、清内路(下伊那郡阿智村)にある、国の天然記念物に指定されているミズナラを題材にしています。地元では「大きなまきの木」から「おおまき」と呼ばれて愛されている木で、樹高20メートル、幹の周囲7.3メートル、約300歳の堂々たる古樹です。
 物語は不思議な音に導かれて山に入った少女が、鳥のさえずりや川の音、木のざわめきなどに導かれ、やがておおまきに出会い、丸ごと自分を受け止めてくれる「おおまき」の命の鼓動に包まれて、いつどんな時でも自分の命の居場所はここにあるのだと感じます。
 小さな子どもたちまでもが様々なストレスにさらされて現代、どんなにちっぽけでも、全ての命を受け止め育んでくれているような「おおまき」の鼓動の唄は、さりげない優しさで私たちの「生」を後押ししてくれているのかもしれません。絵本に添付されているCDにはこのおおまきの枝で創ったコカリナの演奏も含まれていて、物語の世界に優しく導いてくれます。
 クリスマスの1日、古樹の命の大きさに包まれたら、新しい年に向けて生きていくパワーをもらえるかもしれない…なんて思ってしまう私は、少々生きるパワーが落ちているのか? そんなぁ! まだまだがんばるぞー!
 世界中の子どもたちが幸せなクリスマスを過ごせますように…祈  

Posted by ハグリン at 09:26Comments(0)TrackBack(0)絵本紹介